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当科でできる検査の詳細   
 1. 小児科外来ベットサイドにおいて、小児科医施行により以下の各種感染症の迅速診断、簡易エコー検査が出来ます。 
  (ア)  簡易CRP:0.007mlの微量の耳朶血という小児に負担がほとんどかからない採血量で、しかもわずか約1分の反応時間で、カゼをこじらせたときにおきる中耳炎・細菌性気管支炎・肺炎等の抗生剤投与の必要の有無の判定が可能
  (イ)   溶連菌感染症:咽頭拭い液、10分以内で、学童期に小流行し、数週後に腎炎などを引き起こす可能性のある溶連菌感染症の有無が判定可能
  (ウ) アデノウイルスによる流行目、プール熱:結膜、咽頭拭い液、15分。乳幼児に流行する“夏のインフルエンザ“ともいわれるプール熱の鑑別可能
  (エ) RSウイルスによる細気管支炎:鼻汁、15分。秋から冬にかけて乳児に流行し、細気管支炎という重篤な呼吸障害を引き起こすRSウイルス感染症の鑑別可能。  
  (オ) インフルエンザA B:鼻汁、10分。新型か季節性かはわかりません。 
  (カ) 簡易エコー検査もベットサイドで積極的にしており、頸部腫瘤の鑑別(リンパ節炎、おたふく風邪、反復性耳下腺炎、甲状腺腫、その他)、腹部エコーで肝・脾・膵臓などの上部腹部臓器の観察、腎臓、とくに水腎症・逆流性腎症の鑑別、腸重積症の鑑別、ヘルニアの重症度の評価などに重宝しています。
2. 尿や便の検体から一般的な検査、細菌培養検査に加え、以下の迅速検査もできます。 
  (ア) 便のロタウイルス・アデノウイルス抗原迅速検査:乳幼児に重篤で流行性の嘔吐下痢症を引き起こすロタウイルス・アデノウイルス腸炎の診断。
  (イ)   便の潜血検査:細菌性腸炎、胃潰瘍など長期間の消化管出血による貧血、クローン病や潰瘍性大腸炎の炎症性腸疾患のスクリーニングとして有用。
  (ウ) 便CD抗原検査:特殊な抗生剤使用され、腸内細菌の菌交代現象により引き起こされる、頻度は稀だが重篤なクロストリジウム関連性下痢症のスクリーニング。
  (エ) 便クリニテスト・ズダンIIIテスト:乳児の乳糖不耐症、吸収不全症候群のスクリーニング。
  (オ) 尿中肺炎双球菌抗原検出検査:細菌性髄膜炎や敗血症、重症肺炎など重篤な感染症のときに、起炎菌検索で肺炎双球菌のスクリーニングに使用。近年、肺炎双球菌は耐性菌出現頻度が高く、かつ重症化することもある。    
3.  採血検査:一般的な血液細胞の検査(白血球数とその分画や貧血、血小板数)、肝腎機能、各種内分泌検査などの生化学検査が数時間以内に出来ることに加え、以下の検査も出来ます。とくに各種炎症反応パラメーター測定に関しては大病院に引けをとらない検査項目数を誇っています。 
  (ア)   マイコプラズマIgM迅速診断:イムノカードマイコプラズマ抗体を用い、学童・若年青年を中心に異形肺炎を起こすマイコプラズマ感染症の半年以内の感染の有無を30分で判定可能。  
  (イ)   血清アミロイドA:以前から行われていたCRPにかわる炎症、心筋梗塞やリュウマチ、自己免疫疾患などの組織破壊の指標として有用といわれている。小児科領域では以前から用いられている炎症指標CRPや白血球があがりにくく炎症の重症度が客観的に評価しづらいウイルス感染症、とくにインフルエンザ、RSウイルス感染症の病状評価に有効。他院に先駆けて2009年1月より導入。
  (ウ)   プロカルシトニンU:敗血症、細菌性髄膜炎などの重症な細菌感染症の鑑別に有用。小児科領域では、上記に加え川崎病(乳幼児の全身性血管炎、10%に心臓の冠動脈病変を残す)、アデノウイルス感染症の判定の参考になる。ただし当院では定性検査しかできず、陽性のカットオフ値が0.5と高いので、小児科領域で0.2以上陽性の判定は難しい。2008年から導入。
  (エ) 新生児のAPRスコアー:早期新生児は細菌感染に対する抵抗力が著しく低く、しかも症状も”何となくへん”くらいしかでず、早期発見が難しくしかもあっという間に重篤な感染症になります。当院では早期新生児期で感染症の早期発見に有用といわれているAPRスコアーを院内で迅速に出来る体制をとっています。  
  (オ) 平均血小板容積(MPV):糖尿病、心筋梗塞など全身性・あるいは局所の血管炎を引き起こし悪化させる物質のうち、血小板という血管損傷時の修復の役目を果たす血球から出るp-VEGFを代表とする物質に注目が集まっています。小児科分野でも川崎病やアレルギー性紫斑病など全身の血管炎を来しうる疾患があります。これら血小板由来の物質の測定は大変有用と思われますが、一方小規模施設では直接測定することが困難な検査でしかも高価・時間がかかるという欠点があります。そこで血小板の大きさ、MPVを計測することにより、間接的に血小板の活性度、つまりこれらの物質を多く出しているかどうかをみることが出来きるのではないかといわれています。当院の血球測定機でもMPVが簡単に測定でき、血管炎を引き起こす疾患の診断や重症度判断、治療に対する反応の予測評価に利用できるのではないかと期待しております。  
4.  髄液検査:髄膜炎や脳炎、脳症、各種神経脱髄性疾患の除外診断には欠かせません。年齢に関係なく安全に行えます。 
5.  特殊検査:FARCOという検査機関に外注しており、当院小児科では特に即時型IgEによるアレルギー検査や各種ウイルスを初めとする病原体抗体価検査、簡単な免疫能検査を中心に積極的に行い確定診断をつける努力をしています。結果に1週間ほどお時間をいただきます。代謝病を疑う場合は、化血研にタンデムマススクリーニングを依頼しています.
6.  アレルギー検査:一般的で古典的な鼻汁好酸球検査や即時型IgE検査だけではなく、最近トピックになっている遅発型IgG抗体価検査も行っています。スタンダードなもので、96品目に対する特異的IgG測定を特殊な濾紙付ステック3本に吸い込ませるだけで行えます。日本国内で検査が行える施設がないため、アンブロシアという代理店を通じ、アメリカのUS バイオテック社に検体を郵送して行っています(医療保険外のため高価)。現在の所、熊本県内では当科でしかやっていないため、当科では、検体採取だけは希望者の最寄りの医療機関に委託して行うようにしています。詳細は代理店のホームページ**を参照していただけますと幸いですが、当科へもお気軽にお問い合わせください。 
7.  画像診断:簡単なものならば小児科外来でエコーを積極的にしています。一般的なレントゲン撮影やCT、MRI*に関しても、専門スタッフによる最新の装置で、被爆も少なく、安全でほとんどのものに対応しております。読影も2人の医師のダブルチェック体制で行っていますし、必要が有れば外部の放射線医による遠隔読影も行っています。 
8. 生理検査:一般的な心臓、肺、脳の機能が評価できます。 
  (ア)   心機能検査:一般的な心電図はもちろん、年齢次第では24時間ホルター心電図*やトレッドミルを使用した運動負荷心電図*も可能です。心エコーによる心機能評価や心筋炎のスクリーニングも積極的に行っていますし、川崎病における冠状動脈病変の経過観察*も行っております。
  (イ)  肺機能検査:現在では生理検査室にあるスパイロメーターで行っておりますが、将来、小児科外来のベットサイドで出来る携帯型のスパイロメーターの導入を検討しており、気管支喘息児の急性期・慢性期の管理に役立てたいと考えております。  
  (ウ)  脳波検査*:熱性痙攣や痙攣性疾患児の管理を行っております。
  (エ)   筋電図、神経伝達速度測定計測可能で、ギラン・バレー症候群などの神経・筋疾患の除外に利用しています。   
     
    *予約が必要です **アンブロシア株式会社 http://www.ambrosia-kk.com/