CTとは、コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略で、体にエックス線を照射し、通過したエックス線量の差をデータとして集め、コンピュータで処理することによって身体の内部を画像化する検査です。エックス線は、肺のように空気のたくさんあるところは通過しやすく、骨は通過しにくいという性質を有しています。そのため、身体の組織や臓器によってエックス線の通過性は異なり、この差を利用して画像を作りだすことができるのです。CT検査はエックス線撮影のように一方向からだけ照射するのではなく、エックス線を出す部分と検出器を対にして回転させ、360度方向からエックス線を照射して測定します。これによりCTの画像は身体を輪切りにした断層像が得られ、その断面像をもとに任意の断層像や3次元(立体)像を構築することも可能となっています。病変の他臓器との位置関係や、質的判断に大いに役立つ重要な検査項目です
CT検査には単純CT検査と造影CT検査の2種類があります。造影検査では、小さな病変や正常部位とのエックス線透過性がほとんど変わらない病変を明瞭に抽出させ、より正確な診断をするために造影剤を使用します。使用される造影剤はヨード造影剤と呼ばれるもので、通常腕の静脈から注射をして注入し、スキャンを行います。体内に注入した造影剤はほとんどが尿となって排出されます。また、検査部位によっては食事制限が必要になる場合があるので、事前の説明でよく確認していただきたいと思います。造影剤の投与によって、時に副作用が生じることがあります。吐き気、嘔吐、発疹が多く、通常は軽く自然に治ります。しかし、まれに血圧が低下してショック状態になったり、呼吸困難が生じたりすることがあります。こうした副作用は予測不可能ですが、喘息などのアレルギーの既往のある方に多い傾向が知られています。造影剤を使った検査を行うときには、詳しく説明して、問診票で確認し、ご同意を戴きますが、アレルギーのある方や以前に造影剤で具合の悪くなったことのある方は申し出てください。
事前に検査のために食事を摂らないように説明を受けた方は、検査前の食事を摂らないでください(午前中の検査の方は朝食を、午後の検査の方は昼食を摂らないでください)。ただし、水やお茶などの水分は飲んでも構いません(牛乳などの乳製品は除きます)。
特に指示のない場合は、通常通りに食事を摂ります。
服用してはいけない場合がありますので、普段から服用しているお薬がある場合は、あらかじめ担当医師に確認しておきましょう。
特に指示のない場合は、通常通り服用します。
検査部位によっては、ネックレスなどの貴金属類が検査の妨げになることがあるため、検査当日は、なるべく装身具などは身につけず楽な服装にしますまた、金具のついて下着や衣服を着用しているときには、検査着に着替えて検査を行うこともあります。
CT検査の寝台にあおむけに寝て検査を受けます。検査中は、身体の力を 抜いてリラックスしてください。
頭部や頚部の検査では、両腕を腹部の上に置き、胸部や腹部、骨盤部の検 査では、両腕を上に挙げてスキャンを行います。これは、腕が撮影部位に入って、画像が見えにくくなるのを避けるためです。
エックス線を照射するときに身体が動くと、画像が乱れてしますので、じっとしている必要があります。特に胸部や腹部の検査では、指示にしたがって数秒間、息を止めます(マイクで指示があります)
CT装置にはマイクがついているので、検査中でも隣の捜査室にいる放射線技師といつでも会話できるようになっています。もし、検査中に気分が悪くなったり、かゆみなどの症状があらわれたら、がまんしないで、すぐに伝えましょう。